共有持分分割請求訴訟とは?要件や流れを知り共有状態を解消しよう

共有名義

共有名義不動産は不動産の売却や保存に関して共有名義者全員の承認が必要になります。

なかなか承認が得られず話が進まない、いっそのこと共有状態を解消したい、そんなときに最も有効なのは裁判所に「共有持分分割請求訴訟」を申し立てる方法です。しかし、申し立てをするにも必要な要件や流れなどがわからず疑問や不安がつのり、ためらってしまいますよね。

この記事では、共有持分分割請求訴訟に関する要件や流れを解説します。訴訟を起こす際に必要な知識を身につけ、スムーズに話し合いを進めていきましょう。

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共有持分分割請求訴訟とは?

共有持分分割請求訴訟とは、不動産の共有状態を解消を求める手段です。共有名義不動産では、共有者が個人でできることは限られています。内容によっては過半数または全員の承認が必要な場合もあるため、売却したいけどできないという状況を窮屈に感じる人もいます。

各共有名義者には共有状態の解消が権利として認められています。一般的には、協議(話し合い)によって行います。しかし、意見の対立によって話が進まない場合など一定の要件を満たすと裁判所で共有持分分割請求訴訟を起こすことが可能になります。

共有持分分割請求訴訟の要件を確認しよう

  • 共有物分割協議を行っている

共有持分分割請求訴訟はすぐに起こせるものではありません。まずは協議を行っていることが大前提にあります。協議による話し合いで結論がでなかったときに、裁判所に申し立てができます。これは民法258条に明記されています。

また、協議は電話や手紙を用いたものでも協議したという証明あれば認められています。証明には、内容証明郵便を活用しましょう。内容証明郵便は、いつ・誰に・どんな内容の手紙を出したか郵便局で保存し、証明してくれます。手紙が届かなかった、紛失した、といった場合にも対処がスムーズに行えます。

  • 拒否があり協議にならない

共有名義者の中には、拒否してそもそも話に応じない、無視する人も少なからずいます。この場合「協議が調わない」状態として共有持分分割請求訴訟の申し立ても通りやすいです。協議の申し立てをした、という証明も必要なため内容証明郵便を使って共有名義者に手紙を送付します。

協議や訴訟をうまく進められるか不安な方は、共有名義不動産を専門に扱う業者に依頼するのがおすすめです。MBC ASSET株式会社なら、共有物件の相談からめんどうな手続きまでをサポートしてくれるうえ、弁護士を含めた専門家ともネットワークがつながっているため、お客様からの相談に対して的確な目線からの意見をもとに解決できます。

共有持分分割請求訴訟の流れ

  1. 地方裁判所に申し立てを行う

訴訟を起こす側が原告、他の共有名義者は被告となります。共有名義不動産がある地方裁判所か、被告の住所がある地方裁判所のいずれかに申し立てを行います。

申し立ての際には、訴状の正本・副本、収入印紙、固定資産評価証明書など必要書類を準備しておきましょう。

  1. 被告に口頭弁論期日の呼出状が送付される

訴訟の申し立てを行い、約1カ月ほどで被告に呼出状が送付されます。呼出状には、答弁書も添えられています。答弁書とは訴状に対しての被告側の言い分を記載する書面のことを指します。被告は期日の一週間前までに答弁書を提出をしなくてはなりません。

口頭弁論の期日に裁判所に出頭しない場合は、答弁書をもとに進んでいきます。被告は口頭弁論には出頭せず、答弁書を提出するケースが多いです。裁判は2~3回ほどひらかれますが、反論があるほど裁判の回数も増えていきます。

  1. 裁判所による審議を行う

原告・被告のそれぞれの主張をもとに裁判所は、適切な判断を下します。原告の主張がすべて通るわけではない、ということを理解しておきましょう。

裁判所へ訴状の申し立てを行い、呼出状が被告に送付されるまで約1カ月を要します。そこから裁判が始まり、判決が下るまでは短くて2~3カ月、長くて1年はかかることを頭にいれておきましょう。

  1. 裁判所による判決が下される

判決結果は現物分割・全面的価格賠償・換価分割の3つに分けられます。

現物分割は、共有名義不動産を分筆してそれぞれが独立した土地を所有することを指します。一番共有名義者同士の不公平感が少なくて済むうえ、各自の判断で土地を扱うことが可能になります。

全面的価格賠償は、一人が共有名義不動産の所有者となり他の共有名義者に賠償金を支払うことを指します。賠償側は不動産を高値で売却できる権利を得られ、他の共有名義者は共有状態の解消とお金が支払われるため良い手段です。いっぽうで、賠償側の支払い能力の有無や賠償金額をめぐってトラブルが起きやすい面があります。

換価分割は、共有名義不動産を競売にかけてその金額は共有者同士で分割する方法です。現物分割や全面的価格賠償ができない場合に適用されます。しかしながら、判決での換価分割は通常の価格より3割ほどダウンしてしまうため、裁判前に協力して売却しておけばよかったと損をする可能性があります。

まとめ

共有持分分割請求訴訟は、共有の状態解消する最終手段です。訴訟はすぐに起こせるわけではないので、協議を行ったうえでそれでも話の決着がつかない場合に行います。 また、訴訟をおこすと判決結果は裁判所にゆだねられるため、原告の主張が通るとは限りません。協議で全員が和解する答えをだしておけばよかったと後悔がないようにしましょう。また協議や裁判になると法律についてある程度知識があるほうが優位に話を進められます。法律の専門家などに相談し進める方法が良いでしょう。

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