日本国土の約10%! 市街化調整区域とは

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市街化調整区域とは

日本国土は、土地の利用について「都市計画区域」「準都市計画区域」「その他の地域」の3つに分類されています。都市計画区域は、さらに「市街化区域」「市街化調整区域」「区域区分非設定区域」に分かれるのです。土地計画区域と準都市計画区域は、用途別に12の区域「用途地域」に分けられ、建築基準法によって建てる建物の高さなどが決められています。用途地域とは、工場の中に家が建ったり、静かな住宅街の中ににぎやかな商業施設が建ったりしないように、環境や用途の混在を防ぐことを目的とした区分分けです。

都市計画区域に含まれる「市街化調整区域」には用途地域がありません。なぜならば、市街化調整区域は「原則、建物を建てることができないから」です。市街化調整区域は日本国土の約10%を占めています。積極的な都市開発をしない区域です。都市開発を抑制するため、市街化調整区域内では新しい建物を建てるときにはかなりの制限を受けることになります。

市街化区域と名前は似ていますが、意味は正反対です。市街化区域は、市街化を推し進めている区域です。新しい建物も建てることができます。

なぜ市街化調整区域は再建築できないのか

市街化調整区域の再建築については、建築基準法ではなく都市計画法に定められています。

市街化調整区域に再建築が認められない理由はいくつかあります。再建築の制限をなくせば、新しい商業施設が建ち自然や農地がなくなっていくでしょう。再建築を認めないことで、日本国土の自然や農地を守っているのです。さらにインフラの問題もあります。再建築を認めれば人も移動します。人が動けば交通や水道や電気が必要になります。人が住む場所を決めることで、インフラも効率的に整備することができるようになるのです。

市街化調整区域は、自分の土地でありながら自由に使うことができない不便さはあります。しかし市街化調整区域は、日本国土全体でみればやみくもに都市開発をして自然環境を壊すことを防ぐ大切な役割を持っているのです。

市街化調整区域に再建築するための要件とは

市街化調整区域だからといって、一切の再建築が許されないわけではありません。要件を満たせば再建築は可能です。例えば、学校やコンビニエンスストアのようにすでに市街化調整区域に住んでいる住民に必要な建物は許可を得ることで建てることも可能です。また、市街化区域に接している複数の棟の一部で、すでにインフラが整っていて、周囲の環境に影響を及ぼさない場合も認められる可能性があります。お墓や納骨堂のように市街化区域には建設が難しい施設も認められる傾向があります。いずれにしても市街化調整区域に再建築をするときには審査を受けて許可を受ける必要があるのです。

市街化調整区域が定められている都市計画法は、1970年に施行されました。1970年以前に市街化調整区域に住んでいた人には建て替えができる特例措置が適用されます。地方自治体によって多少運用方法が異なるため、確認は必要です。

例えば、神奈川県の場合は都市計画が、おおむね5年ごとに見直しがされています。区域の変更は「線引き」とよばれ、社会の経済状況や人口の変化、都市計画の見直しによって行われます。市街化調整区域が区域区分非設定区域(非線引き)になることもあれば、市街化区域になる可能性も否定できません。市街化区域に変更されれば、再建築は可能となるのです。

市街化調整区域の土地活用方法

市街化調整区域は再建築が難しいため、今ある建物を大切に使わざるを得ません。もしも、建物が老朽化して壊したときや、災害で崩れてしまったりしたときでも再建築は難しいでしょう。一見、市街化調整区域は自由度が低く住みにくい土地にみえるかもしれません。しかし、市街化調整区域は自然が多い環境です。人ごみを嫌う人にとっては住みやすい環境かもしれません。また、制限があるだけに土地の値段は安くなっています。都会の中に暮らしながら、自然と共存できる環境ともいえるのです。 市街化調整区域は好みがわかれる土地です。再建築を希望している人、土地よりもお金にして手元におきたい人は土地の売却も土地活用のひとつの方法です。ただ、市街化調整区域は土地の値段が安いだけでなく、売買が難しい傾向があります。資産価値が低いため、住宅ローンの審査がおりないことも多く、買い手はそう多くありません。そのため、売却が難しい傾向にあります。

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