これだけは知っておきたい! 建築基準法

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建築基準法とは

建築基準法とは、国民の生命と健康と財産、そして公共の福祉を守るためにつくられた建築物にかんする法律です。建築基準法は、法と施行令と施行規則の3つから成り立っています。法は、字の通り法律です。さらに法は、建物を建てるときの申請や審査などの手続き規定、防火などの安全性を確保するための単体規定、違反に関する罰則規定、最後に道路や用途地域に関する集団規定の4つに分けることができます。個人で家や建物を建てるときに関係してくるものは、最後の集団規定ではないでしょうか。

建築基準法は、昭和25年に定められました。日本の住環境や土地の状況は日々刻々と変化しています。それに応じて、建築基準法も改正されています。「むかしは建物が建てられる土地だったのに、建築基準法の改正によって建てられなくなった」ということもよくある話です。「建築基準法は素人には関係ない」と思わず、最低限のことは知っておきたい法律でしょう。

家や土地を買うなら知っておきたい建築基準法の道路

歩ける道すべてが建築基準法の道路にはなりません。建築基準法の道路とは、地上にあるもので道幅が4m以上あるものをいいます。風土や気候などの状況によって特定行政庁が認めた場合は道幅が6m求められることもあります。建築基準法で認められる道路の種類は10種類(予定道路や接道義務の特例許可の通路も含める)ありますが、建物を建てるときには建築基準法の道路と敷地が2m以上接していなければ建物を建てることはできません。これを接道義務といいます。

建築基準法の道路は、所有者によってきまるものではありません。例えば、個人が所有している私道であっても道路位置指定や都市計画法の開発などの手続きをすることで建築基準法の道路と認められることがあります。

家や土地を買う場合、知っておきたい建築基準法の道路があります。それは「みなし道路」です。「みなし道路」は「2項道路」ともよばれています。建築基準法では、道幅が4m以上を道路と認めています。しかし建築基準法ができた昭和25年には、すでに道幅が4mに満たない道路に接している家が立ち並んでいました。これでは先に説明した「接道義務」を果たしていません。そこで建築基準法では、新たに建物を建てるときには「道路と敷地の接する部分を道路の中心から必要分を後退させた位置を道路の境界とする」と規定しています。この後退させた道路を「みなし道路」というのです。

知らないとこわい! 建築基準法で決められている再建築不可の基準

今現在、建物が建っている土地でも再建築できない土地があります。建築基準法では「都市計画区域内では建築物の敷地は道路に2m以上接していなければならない」とされています。理由は、火災がおきたときに消防車が入れる道幅を確保するためなど安全面を考慮しているからです。接道義務を果たしているか否かは、そこで暮らす住民の安全確保の意味でもとても大切なことになります。

接道義務を果たしていな土地は再建築不可物件です。せっかく土地を購入しても、今ある家のあとに新しい建物を建てることはできません。しばしば「建物の建築を予定して土地を購入したにもかかわらず、一部が道路認定されて予定した建物を建てることができない」ということもあります。これは「みなし道路」が影響したと考えらえます。「みなし道路」は、建築基準法の道路です。今は道路として形はないけれど、再建築するときには道路の幅を広げることで接道義務を果たします。そのため、再建築するときには道路幅を確保した残りの敷地に建物を建てる必要があるのです。そのことを知らずに、新しい家の設計図を先に作ってしまい、希望の家が建てられない人がいます。

再建築不可物件の活用方法

建築基準法は、人や地域の命や健康そして財産を守る目的で作られた法律です。「ちょっとはみ出すくらいなら大丈夫だろう」という安易な気持ちで建物を建ててしまえば、その物件は違反建築物になってしまいます。

再建築不可物件を活用する方法はいくつかあります。ひとつ目は、今ある物件を長く使う方法です。再建築不可物件は、再建築はできませんが今ある建物を使う分には問題ありません。メンテナンスをしながら暮らし続けてもいいし、立地がよければ家賃収入を目当てにすることも可能でしょう。

ふたつ目は、隣接する土地の一部を手に入れて接道義務を果たすことです。道路と接する道幅を広げれば、接道義務を果たし再建築が可能になります。ただ、隣接する土地いっぱいに建物が建っている場合は、土地の一部を譲り受けることは難しいでしょう。

最後は、再建築不可物件を取り扱っている買い取り業者に売却する方法です。業者によっては、安く買いたたく可能性もあり、業者選びが非常に大切になります。

以上の様に建築基準法の基準を満たしている不動産か否かで取扱いは大きく異なります。
お持ちの不動産や購入予定の不動産が建築基準法に準拠しているか確認しておくことが大切です。

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